汚泥処理の流れは?

汚泥処理とは、濃縮・脱水・焼却などによって汚泥の容積を減らし、衛生的に取り扱いやすい状態にするとともに、埋め立て処分量を削減する技術です。

ここでは、汚泥処理の流れについて解説しています。

汚泥処理の詳しい流れ

汚泥が発生する

汚泥には、大きく分けると「有機性汚泥」と「無機性汚泥」の2種類があります。有機性汚泥とは、主に下水処理場や食品工場などで、有機物を多く含んだ物質を排水を処理する際に発生する汚泥です。一方、無機性汚泥とは、無機物を多く含んだ汚泥のこと。土木工事の現場や金属工場など、金属成分や砂を多く含む排水処理において発生します。

まずは自社が扱う汚泥が有機性か無機性かを把握することが大切です。

前処理

発生した汚泥は、すぐに脱水プロセスに回されるわけではありません。脱水の前に、汚泥の水が分離しやすい状態にするための前処理が必要となります。

前処理の種類には、大きく分けて「調質」と「濃縮」の2種類があります。

調質とは、汚泥に含まれている分離しにくい水(結合水、表面付着水、内部水など)に薬品や熱を加えることで、水を分離しやすくする処理のこと。どのような調質方法を採用するかは、汚泥脱水機の機種によって異なります。

また濃縮とは、文字通り汚泥を濃縮する処理を言い、重力式や浮上式、遠心式など、いくつかの方法があります。濃縮の方法は、汚泥脱水機に搭載されているシステムによって異なります。

脱水

汚泥はまず汚泥脱水機で含水率85%以下まで脱水します。
脱水の方法は、加圧ろ過型、真空ろ過型、多重板型、スクリュープレス型、フィルタープレス型、ベルトプレス型など様々。 汚泥の種類や工場の規模によって適した汚泥脱水機は異なります。

有機性汚泥の脱水に関しては、かつては加圧ろ過型や真空ろ過型が一般的に利用されていましたが、有機性汚泥における脱水性能や維持管理性などの観点から、現在ではスクリュープレス型やベルトプレスが多く用いられています。

なお、有機性汚泥は粒子径や形状が様々で、かつ水との親和力が高い有機物を多く含んでいるため、そのままの状態で脱水機に投入しても効果的な脱水は期待できません。そのため一般には、脱水前に汚泥調整操作という処理が行われることになります。

汚泥調整操作とは、汚泥に化学的・物理的な処理を加えることで、汚泥の質を変えること。特定の薬品を加え、汚泥の微粒子を結合させて個液分離しやすいブロック状へと変化させる処理となります。

使用状況に応じて適切な製品選びをすることで、人件費や廃棄コストの削減を効果的に行うことができます

ここでは、使用状況別におすすめの汚泥脱水機を紹介しているので、さらなるコスト削減を目指す方は是非ご参考になさってください。

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脱水によって水分が取り除かれた汚泥は布に挟まれて圧をかけて搾られ、「脱水ケーキ」と呼ばれる脱水汚泥になります。

乾燥・焼却・埋め立て

脱水ケーキは熱風や蒸気などに晒して乾燥させ、乾燥汚泥にします。
この段階で含水量は50%程度にまで減っています。乾燥後、焼却して無機性にし、最終処分場で埋め立てます。

なお、脱水処理によって生じた脱水ケーキは所定の容器に入れられることになりますが、この容器までの移送方法において注意が必要となる場合があります。

一般に脱水ケーキは、コンベアーによる方法、またはパイプ内の圧送による方法で容器へと送られています。これらのうち、パイプ内の圧送方式を採用した場合、含水率の低い脱水ケーキは流動性が低いため、圧送が困難となるケースが少なくありません。効果的に汚泥ケーキを圧送するためには、ポンプを負圧側ではなく加圧側に設置し、脱水ケーキを押し込むような要領で送ることがポイントです。

また、パイプ内での摩擦抵抗も圧送の妨げになることから、パイプの全長を短くしたりパイプの直径を大きくしたりなど、何らかの工夫が必要になることもあります。

容器へと移送された有機性の脱水ケーキは、放置すれば悪臭や害虫の温床となるため速やかに焼却処理されることになりますが、近年では焼却以外にも、セメントやレンガ等の材料や、バイオマス発電の原料として再利用される例が見られるようになりました。埋立施設における残余容量の減少が課題となっている昨今、脱水ケーキを再利用するという考え方は、汚泥の理想的な最終処分法として広く注目されています。

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