汚泥処分の方法とは?

汚泥脱水機から生じた汚泥処分の方法として、ここでは主な7種類をご紹介しています。

発生した汚泥は焼却されて埋め立てられたり、脱水後にそのまま埋め立てられたリすることもありますが、汚泥後の状態によってはセメントなどの原料となったり堆肥化されたりなど、有効に再利用されることも少なくありません

焼却

汚泥の中でも有機物が含まれている汚泥は、たとえ脱水・乾燥が終わったものであっても、そのまま放置すると害虫や悪臭の原因になることがあります。害虫や悪臭を発生させないためには、焼却炉で焼却してしまうことが最も有効かつシンプルな方法です。焼却された汚泥は無機物となるため、以後、害虫・悪臭の温床になることはありません。

参考までに、100トンの汚泥を焼却した場合、約2トンの焼却物(灰)が残ります。

埋め立て

害虫・悪臭の温床とはならない無機性の汚泥であれば、脱水と乾燥が終了した時点で、そのまま埋め立てに回すことができます。

ただし、汚泥をそのまま埋め立てるためには、相応の容量を持つ埋め立て施設が必要です。昨今は埋め立て施設の残余容量が減少してきたため、自治体の中には、埋め立て基準を厳しくしているところもあるようです。

ちなみに、「産業廃棄物埋立処分基準」では、含水率85%以下であれば埋め立てが可能と規定されています。問題は、埋め立てする場所があるかどうか、です。

溶融

焼却した灰をさらに1200度以上の高温に晒すことで、灰を溶解させることができます。溶解後の灰の容積は灰の1/2程度。容積が小さくなった分、埋め立ての残余容量が少ない施設でも、埋め立てが可能となる可能性があるでしょう。

なお、溶解した灰は砂のようなスラグ状の物質に変化します。スラグ状の物質はダイオキシンが分解されて安全な状態になっているので、アスファルト合板や細骨材、タイル、ブロックなどに再利用されることがあります。

セメント原料化

焼却後の灰には、セメントやコンクリートの原料となる粘土成分と同じ物質が含まれているため、その灰をセメント・コンクリートの原料として再利用することが可能です。セメントやコンクリートに灰を投入するだけなので、特別な手間はかかりません。

汚泥の処理方法によっては、未焼却の汚泥をそのままセメントやコンクリートの原料にすることもあります。

造粒固化

造粒固化とは、焼却されて無機性となった汚泥を混ぜ合わせ、専用設備や薬剤を使用して固めること。固めた汚泥を埋め立てに回したり、骨材などとして再利用したりします。

堆肥化

脱水処理した有機汚泥に微生物と水を加え、一定の温度を維持したまま一定期間放置することで、汚泥は栄養価の高い堆肥となります。堆肥となった汚泥は、野菜などの栽培に有効に活用することができることに加え、やがて土へと帰るため埋め立てする必要はありません。

堆肥化は環境負荷のない理想的な汚泥の再利用法ですが、汚泥を堆肥にするための施設が必要になることや、一定期間を保管しておく場所が必要になることなど、課題の多い方法でもあります。

メタン発酵

メタン発酵とは、微生物の活動を利用して有機汚泥からメタンガスを生成させる処理方法のこと。発生したメタンガスは、発電機等の動力エネルギーとして活用できます。また、微生物が有機汚泥を分解する過程では、畑の肥料などとして活用できる液肥も生成されます。

上記の堆肥化と同様に、環境負荷のない有効な汚泥の活用法となりますが、一定の設備等が必要となることは避けられません。

まとめ

汚泥脱水機から生じた汚泥処分の方法について、主な7種類をご紹介しました。

汚泥のほとんどは焼却処理されていますが、焼却後の灰については、埋め立てられているだけではなく、私たちの身の回りで広く再利用されていることが理解できたでしょう。

また近年では、国内外に広く環境保護の考え方が拡大・浸透してきましたため、将来的には堆肥化やメタン発行の施設が増えていくものと期待されています。環境にやさしく再利用ができる理想的な汚泥の処分方法です。

さて、当サイトでは、汚泥処分の前提となる各種メーカーの汚泥脱水機を多数ご紹介しています。汚泥脱水機の導入を検討している企業担当者様には、ぜひ当サイトでご紹介しているおすすめの製品も検討していただければ幸いです。

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